3ゾロ

2006年1月24日 読書
ISBN:4022643528 文庫 浅田 次郎 朝日新聞社 2005/09/15 ¥630

ソイツは今から3ゾロ年前の今日、いかにも『めんどくせぇなぁ』という感じで生まれてきたんだそうな。ちょうど時刻は今時分、それまでの3日間を『どうすっかなぁ』とオッカァの体内でごねまくりその挙句にやってきたんだそうな。

そいつの残している一番古い記憶は、とにかくガキの頃からやたらと血を流していたこと。立ち漕ぎしているブランコから飛び降り(というよりも手が離れて転落した)、顔面から落っこちて乳歯を折ったり、校庭で遊んでてまぶたを切ってお岩さんのようになったり、はたまたから足を踏んで靭帯が切れそうになったり…。

10代後半になると、一応イッチョ前に惚れたハレタの騒ぎなんかを繰り返し、そのたびごとに周りの人間関係がおかしくなるのを見て『あぁ、オリャきっと恋事には向いてないんだ…』と思い込み(きっとこれは今でもキモチの片隅にこびりついてる)、思い込んでしまうと今度はやたらとそいつの周りに恋事が表れ…その相談に付き合って眠れぬ夜をすごくこともシバシバ。

何を成し遂げることもなく、せっかく縁の出来た会社を一年で飛び出しプータローとなる。それに飽きると『じゃあ仕事でもすっか』といって仕事を始め、ロクに後先も考えずにドデカイ借金をこさえる。

今じゃ親に朝から『早くガキ作って来い』『何でもいいから連れて来い』と言われ続け、何が怖いって家に帰ってそれを言われるのがイヤで寄り道ばかりしている。

そうこうしている間に、また一里塚を過ぎちまった。もう3ゾロだってよ!あーあー、アイツは一体何処へ行くのだろう…。オマケにヤツァ今までそれに気づかず、気づいた今でも『アーアー、またトシ食っちまったよ』くらいしか思ってないんだからなぁ。

とりあえず、今年は(も)目標はもう少し『分別あるオトナ』になりたいなぁと。

あぁそうそう。昨日外に出かけて仕事をし、家に帰るまでに↑を読了。まぁ要は和製『ゴースト』みたいなもんですな。それなりには感動するけど…いつもの浅田次郎よりはちょっとだけアッサリしたオチでしたなぁ。面白いのは生前『ハゲデブ』の♂が初七日の間だけ『絶世の♀』となり、あまりのカラダの変化にビックリしてはじめの数時間をオナニーして過ごしたんだそうで。思わず電車の中で『うんうん』と肯いちまいました。

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