ISBN:4794214499 単行本 阪田 由美子 草思社 2005/10 ¥1,995

というわけ(何がだ)で…。読了しました。

色々と考えさせられる本でした。とりあえずあらすじ自体にはさほどのインパクトがあるというわけでもない(少なくとも“小説”として読めば)ので、かなり軽めにバラしていくと…

貧しい家に生まれた主人公(♀)は幼い頃より宗教に非常な関心があり、兄や恩師に学びつついっぱしの宗教家になる。ただ舞台となった9世紀はヨーロッパでも男尊女卑の風習が色濃く残っており、主人公の勉学の妨げとなるイベントが盛りたくさんである。何の因果か教皇(今でいう法王)の位に上った主人公は様々な改革をしようと試みるも…ってところです。

なんでもこのヨハンナという主人公、ヨーロッパの世界では存在そのものが否定されているんだそうで。アッチの宗教(カトリック)の世界では、今はどうだか知らないけど“♀はそんな大それた位に上っちゃイカン!”“その理由は♀には生理があって、それは汚いものだからだ”“♀がエラソーなこと言うな!”的な流れがあるんだそうで。宗教改革のアオリでプロテスタントに攻撃を受けた際、真っ先にその存在を否定された方みたい(ってことは、この点においてはカトリックもプロテスタントもそうは変わらんちゅうことですな)なんすよね…。まぁ確かに死に際が『愛する♂との間に出来た子を死産し、ついでに自分も死んじまった』らしいですから、今でいうワイドショーネタとしては格好の素材だったんでしょうね…。ちなみに今のヨーロッパでは民間伝承(?)の範疇では実在視されているみたいですが、今でもローマ界隈で宗教絡みの方に聞くと、その存在は否定されるんだと…。

当時の(いや今もか)♂の皆さんに言いたいのはやっぱり、前回も書いたけど、『オマエラみんな、その汚いモノが元になって生まれてきてるんだよ』ってことなんす。♂だろうが♀だろうが、能力さえあればそんなもん何がどのようになったっていいんじゃないのかって。ヨハンナはみんな(少なくとも当時の)に支持されて教皇になったんだから、そりゃ♀だとバレたらタダじゃ済まないのを承知でなったんだから…。その根性みたいなもんを買ってやってよと。今でも色んな職場や共同体で、『♀がトップに立つこと』をよくない風に考えてる方はたくさんいるけど、そろそろそんなアホ臭い見分け方するのやめたらと思うっす。

後もう一つ、これは日本にも当てはまることなんだと思うんだけど…、やっぱり火のないところに煙は立たないから、日本史上で伝説となっている人物なんかは大概が存在してたんだろうなぁと…。今まであまりにも常識過ぎてスルーしていたものでも、本とはそうじゃないのかもしれないなぁと思ったっすね…。

なんでこんな、マジメだオレ…?

皆さまへ↓

コメント

こばやし
2005年11月29日7:22

初コメ!
お元気ですかぃ?^^ これから年末にかけてますます忙しいでしょうけど
無理せず無理して頑張ってね♪

森村誠一・・・終わっちゃった。次は何読もうかなぁ・・・。
バッテリーの4〜を、意地で探してるんだけどナカナカないねぇ。

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