ISBN:4167646021 文庫 浅田 次郎 文芸春秋 2002/09 ¥620

随分ときれいな人がいたもんだなぁ…。久々に強烈に『侠』を感じる小説に会いました。

カテゴリーとしてはとりあえず時代小説に入るだろうと思いますが、オレがこれまで読んできた時代小説とは全く異趣な感じ。なんなんだろ、この感覚は…。一つには、いわゆる日本史の世界ではまずお目にかかれない方(作ったのかな?)が主役であるという点があるんだろうなぁ。時代小説っていうと、そのほとんどが、史実に忠実であればあるほどメジャーな人物が主人公となるもんですよね。それが全く違うんす。

後は小説の展開かな…。いわゆる史実によって展開していくものではなく、ある一人の男の周りにいた人たちに取材をするという形で物語が進行しているのです。その中で、その主人公の人となりや所業などを取材された方々が披瀝していくというスタイル。実際の取材であればそれほど難しいものではないですが、あたかもホントに取材してきたみたいに書いてあって…。

幕末という時代の中で、やれ♂は『武士道とは』『これからの日本とは』みたいなことをみんなが自分なりに考えていた。

でも、こんな嘘っすよ。そりゃ一部分の、そりゃもうメジャーな人たちは確かに考えていたのかもしれない。けど、当時の大多数の日本人♂は『何か世の中変わってっちまうみたいだけど、折れんところに火の粉がかからなきゃいい』と思ってたんじゃないかな…。そんなことよりも『自分の守らなきゃいけないもの』『自分が抱えていかなきゃいけないこと』をみんなが精一杯に、あのふらついた時代の中で考えていく。行動していく。自分の好きな人たち、自分の愛するもののためには大義名分なんかいらないんすよ。後はそれをどこまで、余計なもの飲み込みつつ動いていけるか…簡単なようで、実はムチャクチャ難しいことをこの主人公は自分のやり方で完遂していくんす。いや、高田延彦じゃないけど、『アンタ男だね』な小説でした。

話は変わって。
オレは毎朝、会社に行くまでに電車(渋谷を通る某私鉄)を使うヒト(もう高校生の時からだから、足掛け15,6年使ってる)なのですが、今朝スゴイ目にあいまして。

日によって急行に乗ったり、各駅に乗ったりするのですが、今日は各駅でした。で、吊革に捕まって雑誌なんかを半ば眠気眼でボーゼンと見ていたのですが…。目の前に椅子に座っている、モノ凄くガタイのいい、年齢・性別不詳の方(たぶん♀。トシは…いや、ワカラネェ)がもう凄いんですよ、鼾が。『うごっ、ぐがががぁ』『ふしゅるるる、ずばばばばぁ』みたいな音で。見ればご丁寧も『アタシ(もしかするとオレ)は、もうもう電車のバクスイかますんだもんね』と言わんばかりにコートを自分のカラダにかけ、足を投げ出し、ふんぞり返ってズバズバしてるんすよね。

アレを見て、『あぁ、世の中には上には上がいるもんだなぁ…コレに比べりゃ、まだまだ彼女はカワイイもんだよなぁ』とか思っちまいました。

彼女は最近忙しいらしく、ロクに連絡もままならないっすね…。どしたんだろ?

きなこさま、ももねさま、女神の唇さま↓

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索